ヤミ金融被害対策埼玉弁護団

高金利をなくそう!弁護士によるヤミ金融相談を行なっています。

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ヤミ金融とは
貸金業を営む場合には、国(財務局)か都道府県による登録を受けなければなりません。
それにもかかわらず、無登録で貸金業を営む業者は「ヤミ金融業者」と呼ばれています。
一方で、登録業者であるにもかかわらず、法律に違反する高金利で貸付を行ったり、悪質な取り立てを行う業者もいます。これらも含めて「ヤミ金融業者」と呼ばれています。

(1)都①業者と090金融

(2)車リース(車金融)、家具リース
(3)チケット金融
(4)年金担保金融
(5)システム金融
(6)買取屋
(7)保証金詐欺・押貸・空貸し

(1)都①業者と090金融

ヤミ金融には、東京都知事の貸金業登録をしているものが少なくありません。更新番号が「都②」「都③」の業者もいますが、特に多いのは、登録して3年未満の更新番号が「都①」の業者です。これらは、「都①業者」(トイチ業者)と呼ばれています。

無登録業者のうち、携帯電話を融資の勧誘や取立ての手段とするものが090金融です。電柱などに「ブラックOK」「自己破産者OK」「テレフォンキャッシング」などと記載した貼り紙をしているものもあり、その多くは090金融です。いわゆるヤミ金融対策法によって090金融による広告・勧誘が禁止されたことは前問で述べたとおりです。

(2)車リース(車金融)、家具リース

車リースおよび家具リースは、いずれも、その実態は貸金業であり、出資法の金利規制や貸金業規制法等の法規制を潜脱するために、売買とリースという法形式を仮装する手口です。

具体的には、債務者の自動車や家財道具一式を一旦買い取った形式をとり、売買代金名目で債務者に金銭を貸し付けます。車等はそのまま債務者に利用させますが、賃貸料(リース料)の名目で、債務者から高額な金利を徴収します。債務者が高利の負担に耐えきれなくなると、日常生活に不可欠な車や家具を引き揚げると威嚇してぎりぎりまで支払いを続けさせ、いよいよ支払いができなくなると車等を引き揚げて第三者に処分してしまいます。債務者は、業者にいわれるがまま、売買契約書や賃貸借契約書に署名・捺印しており、業者は、問題となれば、それらの書類を持ち出し、貸金業ではないとか利息ではなくリース料であるなどと主張してきます。

しかしながら、車リース、家具リースは、高金利を得るための悪質な脱法行為であるから、公序良俗違反により契約は無効であり(なお、年109.5%を超える場合には貸金業規制法42条の2により当然に無効)、交付した元本も不法原因給付(民法708条)に該当し返還する必要がないと主張することが可能です。

また、出資法違反、貸金業規制法違反(無登録営業)の犯罪行為であり、刑事罰の対象となります。 

公序良俗違反や不法行為の成立を認めた判例(大阪地判平成13.9.27【消費者法ニュース50号86頁】、京都簡判平成14.11.5【消費者法ニュース54号29頁】、岸和田簡判平成14.12.10【消費者法ニュース54号26頁】、佐賀地判平成15.9.12【消費者法ニュース57号31頁】)や、刑事責任を認めた判例(大阪地判平成12.9.1【ヤミ金融対策マニュアル改訂版116頁】)が少なくありません。

(3)チケット金融

チケット金融も、車リースなどと同様、法規制を潜脱する手口です。

判例の事案では、阪神高速道路の通行券100枚を、一週間後に売買代金5万円を支払うという約束で債務者に買い取らせ、債務者は、業者が指定した金券買取屋ですぐに3万8000円に換金して現金を取得するという手口がとられています(堺簡判平成14.9.19【消費者法ニュース53号36頁】)。

実質的には、債務者は、3万8000円の融資を受け、一週間後には1万2000円の利息と合わせて合計5万円を返済しなければならないということになり、年利1043%もの高利を負担するということになります。

右の判例は、通行券を購入後、それをどのように利用するかは顧客の自由であり、顧客の行動を拘束できるものではないとの業者の主張を排斥し、業者の営業所と同一の場所で即換金し一週間後に5万円を支払うということになっていたということなどから、その実質は、通行券売買の名目の下に行われた弱者に対する金銭の貸付であり、契約は公序良俗に反し無効であると判断しています。

このような業者は「金券代金後払いOK」と広告していることが多く、なかには、債務者が金券購入を申し込むと高額な手数料を差し引いた上で、現金を直接債務者の銀行口座に送金し、後日金券代金を取り立てるという手口のものもあります。

チケット金融も、出資法違反の犯罪行為であり、実際、多数の業者が出資法違反の容疑などで摘発されています

(4)年金担保金融

年金担保金融は、「年金担保融資」「年金立替」などの広告を出して、年金証書や銀行の貯金通帳、銀行印、キャッシュカードなどを預かることにより事実上年金を担保に取り、貸付金の回収を図る手口です。そのほとんどが利息制限法の制限利率を超過して貸付を行っており、出資法の金利規制に違反している業者も少なくありません。年金だけでなく、生活保護費、母子手当などを事実上の担保にとる場合もあります。

法律で年金を担保に取ることが認められている年金福祉事業団のような公的金融機関を除き、金融業者が年金を担保に取って融資を行うことは禁止されています(国民年金法24条、厚生年金保険法41条1項等)。 また、前問でもふれましたが、貸金業者は、債権の管理または取立ての業務を行うにあたり、偽りその他不正または著しく不当な手段を用いてはならないとされ(貸金業規制法13条2項)、同法に関する金融庁の事務ガイドラインも、印鑑、預貯金通帳、キャッシュカード、運転免許証、健康保険証、年金受給証等の債務者の社会生活上必要な証明書等を徴求することを禁じています(同3-2-2)。

年金担保金融につき、「利息制限法所定の利率を超える利息等の支払義務がないことを知らず、また、証書等の返還を求める等の対応をしないと予想できる高齢者等に対し、…証書等を預かることで高利の貸付取引を長期にわたって繰り返すことは、収入が限られる年金受給者に本来支払義務のない高利の利息を継続して支払うことを強いるものであって、その生活にも影響を与えることが十分予想できる」として、不法行為に該当するとした裁判例もあるところです(大阪地判平成16年3月5日【消費者法ニュース59号44頁】)。

(5)システム金融

システム金融とは、資金繰りに苦しむ中小零細業者を主なターゲットとして、FAXやダイレクトメール等で勧誘をし、融資の際、手形・小切手を預かり、手形・小切手を取立に回せば不渡になるという威嚇のもとに出資法違反の高金利を支払わせ続けるという手口のヤミ金融です。システム金融のほとんどは無登録業者です。

システム金融は、摘発を逃れるため、名称、電話番号、住所を頻繁に変更し、手形・小切手も郵便局留めで郵送させることも多く、また、一つのシステム金融から融資を受けると、他のシステム金融からも勧誘があり、雪だるま式に借金が増大するという例が少なくありません.

(6)買取屋

買取屋は、パチンコ雑誌などに広告を出し、債務者のクレジットカードでビデオ・パソコンなどの家電製品や新幹線の切符・高速道路券などの金券を大量に購入させ、①それを定価の30~40%くらいで買取り、買い取った商品等をディスカウントショップや金券ショップに転売したり、②ディスカウントショップ等に持ち込ませて数十%の手数料を徴収して、多額の利益を得ている業者であり、債務者には高額のクレジット債務が残るという結果になります。

クレジットカードで商品等を購入させるために、まず、まとまった金額を融資すると誘い、融資の前提として信用の審査が必要であり、そのためにクレジットカードで指定する商品等を購入してみて欲しいなどと説明し、商品を持参すれば商品代金を支払うという約束をしておきながら、商品代金もほとんど支払わず、融資には保証人が必要などといって結局融資も実行しないという詐欺の手口も増えています。

買取屋も、次に紹介する保証金詐欺等も、出資法違反の貸付を行っていないという意味でヤミ金融ではないものの、多重債務者の心理につけこんだ悪質な金融業者です。

(7)保証金詐欺・押貸・空貸し

最近では、すぐに大口の融資ができると誘い、保証金や手続費用等の名目で入金を求め、追加の費用が必要などとさまざまな口実で数回にわたって支払いをさせ、結局、融資を行わないうちに連絡がとれなくなるという保証金詐欺の手口も増えており、被害額は数十万円から多いときには百万円単位にもなります。

また、借りるつもりがない者の銀行口座に勝手に送金して、法外な利息の支払を要求したり(押貸し)、お金を渡してさえいないのに支払を迫るという手口(空貸し)もあります。